最終確認日:2026年8月31日
結論から書きます。時給200円の作業です。ほとんどの人にとって、やらないほうが得になります。
しかも交通費を引くと、時給60円まで落ちます。電車で行くなら赤字です。
ただし例外が2つあり、そこに当てはまるなら話は変わります。順に計算します。
まず素直に割り算する
100円安く買うために、往復30分かける。この行動の時給は単純です。
100円 ÷ 0.5時間 = 200円。
日本のどの地域の最低賃金より、はるかに低い水準です。時給1,690円の人なら、その30分は本来845円の価値があります。845円のものを100円で売っているという計算になります。
移動費を引くと、もっと下がる
30分かけて移動するなら、そこには費用も発生しています。
| 移動手段 | 往復のコスト | 手元に残る額 | 時給 |
|---|---|---|---|
| 徒歩・自転車 | 0円 | 100円 | 200円 |
| 車(往復6km) | 約70円 | 30円 | 60円 |
| 電車(往復) | 320円 | −220円 | 赤字 |
車で行くと時給60円。電車なら、100円安く買うために220円払っていることになります。
「安い店まで行く」という行動は、徒歩か自転車の距離でなければ、そもそも成立しません。
では、いくら安ければ行く価値があるのか
逆算してみます。時給1,690円の人が往復30分かけるなら、845円以上の差がなければ損です。
1回の買い物が5,000円だとして、845円の差をつけるには17%安い必要があります。日常の食品でこの差が出ることは、ほとんどありません。
| 買い物額 | 5%安い | 10%安い | 20%安い |
|---|---|---|---|
| 3,000円 | 150円 | 300円 | 600円 |
| 5,000円 | 250円 | 500円 | 1,000円 |
| 10,000円 | 500円 | 1,000円 | 2,000円 |
| 20,000円 | 1,000円 | 2,000円 | 4,000円 |
ここで、成立する条件がはっきりしました。まとめ買いなら成立します。
月1回、2万円分をまとめて買いに行って10%安いなら、差は2,000円。往復30分で2,000円なら時給4,000円です。これは明確に買いになります。
同じ「安い店に行く」という行動でも、週2回・3,000円ずつなら時給300円、月1回・2万円なら時給4,000円。13倍の差がつきます。
もうひとつの例外
ついでに寄れる場合です。
通勤路の途中にある、子どもの送迎の帰りに通る、別の用事のついでに立ち寄れる。この場合、追加でかかる時間はゼロに近い。分母が限りなく小さくなるので、時給は事実上どこまでも高くなります。
逆に言えば、安さのためだけに動く距離が発生した瞬間に、この行動は割に合わなくなります。
判断はこう整理できます。
- ついでに寄れる → やる。追加時間ゼロなら、いくらでも得
- まとめ買いで1万円以上 → やる。差額が845円を超える
- そのために往復30分かける → やらない。時給200円以下
- 電車やバスで行く → やらない。赤字
計算に入っていない時間
ここまで移動の30分だけを見てきましたが、実際にはその手前にも時間を使っています。
- チラシやアプリを見る時間。1日5分見ているなら年30時間です
- どの店が何を安く売っているか覚えておく負荷。時間としては測りにくいものの、頭のなかを占領し続けます
- 行った先で余計に買う。安い店に来たという意識が、かえって購入額を押し上げることがあります
これらを足すと、実際の時給はさらに下がります。100円のために動いているつもりが、その周辺で何時間も使っている。これが節約が苦しくなる仕組みです。
同じ30分を、どこに使うか
節約をやめろという話ではありません。同じ30分をもっと効率よく使えますという話です。
| 30分でやること | 効果 | 時給に直すと |
|---|---|---|
| 100円安い店に行く | 1回100円 | 200円 |
| スマホの契約を見直す | 年60,000円 | 120,000円 |
| 電気・ガスの契約を変える | 年10,000円 | 20,000円 |
| 支払いを還元率の高いカードに統一 | 年10,000円 | 20,000円 |
桁が3つ違います。しかも下の3つは1回やれば翌年以降も効き続けます。安い店に行くほうは、行くたびに30分を払い続けなければなりません。
ポイ活の記事でも同じ構造を書きました。1回で効き続けるものは時給が高く、毎回やるものは時給が低い。節約でつらいと感じているなら、毎回やるタイプに時間を使いすぎている可能性があります。
買い物そのものを減らすなら、買い物に行かない生活で計算しています。年4,880円で、店に行く行為自体がなくなります。
それでも行きたい場合
買い物が気分転換になっている人はいます。子どもと歩く時間、旬のものを見る楽しみ、店員との会話。これらは時間を消費しているのではなく、時間を使っているだけです。
その場合、時給で測る必要はありません。ただし「節約のためにやっている」と思い込まないほうがいいとは言えます。娯楽なら娯楽として、堂々とやればいいだけの話です。
問題になるのは、行きたくないのに義務感で行っている場合だけです。その30分は、845円で買い戻せます。
一度、実際に測ってみる
ここまでの数字は、往復30分という前提で計算しました。ご自身の場合はどうか、一度だけ測ってみることをおすすめします。
測るのは3つだけです。家を出てから帰るまでの時間、レシートの合計額、そして近所の店で同じものを買った場合との差額。1回やれば、以後は判断に迷いません。
差額を出すときに気をつけたいのは、安い商品だけを比べないことです。目玉商品が100円安くても、他の商品が20円ずつ高ければ、合計では負けていることがあります。比べるのはレシートの合計です。
そして車で行った場合のガソリン代は、こう出せます。
往復の距離 ÷ 燃費 × ガソリン単価
往復6km、燃費15km/L、175円/Lなら、6 ÷ 15 × 175 = 70円。100円安く買っても、手元には30円しか残りません。ここに車の消耗やタイヤの摩耗まで足せば、実質はさらに減ります。
測った結果、往復20分で合計500円の差があると分かったなら、時給1,500円。これは十分に成立します。やめるべきかどうかは、測ってから決めてください。
この記事の数字は時給1,690円を基準にしています。時給1,040円の人なら、30分の価値は520円。判断の境目もそのぶん下がります。自分の数字に置き換えて計算し直してください。
安い店を探し続ける前に、毎月自動で出ていく固定費を見直すのが先です。代表例として、格安SIMへの乗り換えは時給いくらかを具体的に計算しました。
まとめ
- 100円のために往復30分は時給200円。車なら60円、電車なら赤字
- 時給1,690円なら、845円以上の差がなければ損
- 1万円以上のまとめ買いなら成立する。月1回2万円で10%差なら時給4,000円
- ついでに寄れるなら追加時間ゼロなので、いくらでも得
- チラシを見る時間、覚えておく負荷まで足すと、時給はさらに下がる
- 同じ30分を固定費の見直しに使うと、時給は数万円になる
自分の時給がまだ分からない方は、自分の時間を時給換算するといくら?を先に読んでください。
※ 本記事の金額はすべてモデルケースでの試算です。ガソリン価格・交通費・商品の価格差はお住まいの地域や時期によって変わります。ご自身の条件に置き換えて計算してみてください。


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