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確定申告の時間をお金で買う|クラウド会計ソフトで年19.5時間が浮く

仕事の時短

最終確認日:2026年8月30日

副業をしている会社員が確定申告にかける時間は、年20〜30時間と言われます。丸1日以上を、領収書の山と国税庁のサイトに使っている計算です。

クラウド会計ソフトは年1万円ほど。これで浮く時間を計算すると、1時間あたり約581円でした。

しかもこの数字には、まだ半分しか入っていません。

確定申告の時間はどこに消えているか

申告書を書く時間そのものは、実はそれほど長くありません。時間を食っているのは手前の工程です。

工程手作業クラウド会計
通帳・カード明細の書き写し8時間0時間(自動取込)
領収書の整理と入力8時間3時間
勘定科目の仕分け4時間1時間(学習して自動化)
集計・申告書の作成4時間1時間
提出1時間0.5時間(e-Tax連携)
合計25時間5.5時間
副業の売上が年100万円程度、取引が月20〜30件という規模を想定。取引数が増えるほど、自動取込の効果は大きくなります。

差は年19.5時間。いちばん効くのは、銀行口座とクレジットカードを連携させて明細が自動で入ってくる部分です。ここだけで8時間が消えます。


ソフトの値段

ソフト個人事業主向けの料金特徴
freee年額11,330円(初年度無料あり)簿記の知識がなくても使える言葉で入力できる
マネーフォワード クラウド確定申告月額880円〜複式簿記に近い画面。簿記が分かる人ほど速い
弥生初年度無料低価格。税理士との連携がしやすい
いずれもプランと機能範囲で料金が変わります。初年度無料の期間があるサービスが多いため、まず1年試すという入り方ができます。

年11,330円として計算します。

11,330円 ÷ 19.5時間 = 1時間あたり約581円

時給1,690円の人にとって3分の1です。ネットスーパーの330円ほどではないものの、十分に安い水準に入ります。


ここに、税金の話が乗る

冒頭で「まだ半分しか入っていない」と書いたのは、この部分です。

青色申告には特別控除があり、最大65万円を所得から差し引けます。ただし条件があり、複式簿記で記帳していることe-Taxで申告する(または電子帳簿保存をする)ことが必要です。

手作業で複式簿記をつけるのは、簿記の知識がないと現実的ではありません。クラウド会計ソフトは、入力すると裏で複式簿記の形にしてくれるので、この条件を満たしやすくなります。e-Taxとの連携も備わっています。

控除が増えれば、その分だけ課税所得が減ります。金額は人によって変わりますが、ソフト代を大きく上回ることは珍しくありません。

そうなるとAmazon定期便と同じ構造になります。時間が浮いたうえに、お金も増える。1時間あたりはマイナスに振れます。

ただしここは税務の話なので、断定は避けます。青色申告をするには事前に開業届と青色申告承認申請書の提出が必要で、期限もあります。控除額も所得の状況で変わります。ご自身の条件は税務署か税理士に確認してください。ソフトを入れれば自動的に控除が増えるわけではありません。


いちばん効くのは、3月ではない

確定申告が苦しいのは、1年分をまとめてやろうとするからです。

クラウド会計の本当の効果は、申告の時期ではなく普段にあります。口座を連携しておけば、明細は毎日勝手に入ってきます。やることは月に1回、10分ほど画面を開いて仕分けを確認するだけ。

月10分 × 12か月 = 年2時間。3月にまとめて25時間かけるのと、月10分ずつ12回で済ませるのと、どちらが楽かという話になります。

しかも、まとめてやると記憶が飛んでいます。「この5,000円は何だったか」を思い出す時間が、集計時間の何割かを占めている。その場で処理すれば思い出す必要がありません。

導入するなら、確定申告の直前ではなく年の初めか、副業を始めた月がいちばん効きます。


領収書の山を作らない

自動取込が効くのは、口座やカードを通った支出だけです。現金で払った分は自動では入りません。ここが最後まで手作業として残ります。

対策は2つあります。

ひとつは受け取ったその場でスマホで撮ること。各社のアプリにレシート読み取り機能があり、金額と日付を読んで取引データにしてくれます。財布に溜めて3月に整理するのと比べて、作業量が桁で違います。

もうひとつは、そもそも現金払いをやめることです。事業用のカードを1枚決めて、経費はすべてそこを通す。こうすれば入力作業自体が消えます。ポイ活の記事で書いた「設定するだけで効き続ける行動」の一種で、還元も付きます。

事業用と私用の口座を分けておくのも同じ効果があります。分けていないと、明細から事業分だけを拾い出す作業が毎回発生します。この仕分けが、集計時間のかなりの部分を占めています。


どれを選ぶか

時間の観点だけで言えば、判断軸は簿記の知識があるかどうかの一点です。

簿記を知らないならfreee。「収入」「支出」といった日常の言葉で入力すると、裏で複式簿記の形にしてくれます。仕訳を考える時間がまるごと消えるので、初めての人ほど差が大きくなります。

簿記が分かるならマネーフォワード弥生。従来の会計ソフトに近い画面なので、勘定科目を直接指定できるぶん速く進みます。税理士に見てもらう予定があるなら、対応しているソフトを選ぶほうが後の手間が減ります。

いずれも初年度無料や低価格の期間があります。1年使ってみて、合わなければ翌年に変えるという進め方ができます。ただし年の途中で乗り換えるとデータ移行が発生するので、変えるなら年度の切れ目にしてください。

取引データが1年分そろっていれば、翌年からは前年の仕分けを参考に自動で分類されます。2年目以降のほうが速くなるのも、このタイプのソフトの特徴です。


向かない場合

  • 取引が年に数件しかない。自動取込の効果が出るのは取引数が多い場合です。年10件程度なら、手で入力しても大差ありません
  • 申告そのものが不要。給与以外の所得が年20万円以下なら、そもそも確定申告が要らない場合があります。まず必要かどうかを確認してください
  • ふるさと納税と医療費控除だけ。この用途なら国税庁の確定申告書等作成コーナーで十分です。会計ソフトは不要です
  • すでに税理士に任せている。その場合に買っているのは時間ではなく、判断と責任です。比較の土俵が違います

3つ目は特に多いはずです。会社員が確定申告をする理由の大半は、副業ではなく控除の手続きです。その場合、年1万円のソフトは過剰になります。



クラウド会計を無料から試す

マネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、日々の仕訳から申告書作成までをまとめて進められます。対応機能と料金は変更される場合があるため、導入前に公式ページで最新情報を確認してください。

まとめ

  • 手作業なら年25時間、クラウド会計なら5.5時間。差は19.5時間
  • 年11,330円として1時間あたり約581円。時給の3分の1
  • いちばん効くのは口座とカードの自動取込。ここだけで8時間
  • 青色申告特別控除の条件を満たしやすくなる。ただし事前の届出が必要
  • 導入は3月ではなく年の初め。月10分ずつなら年2時間で済む
  • 控除の手続きだけなら、国税庁のサイトで十分

自分の時給がまだ分からない方は、自分の時間を時給換算するといくら?を先に読んでください。事務作業を人に任せる話はオンライン秘書にあります。

※ 料金は2026年8月30日時点で確認したものです。プラン・機能範囲・キャンペーンは変わるため、契約前に各社公式サイトでご確認ください。税制および青色申告の要件については、国税庁の情報または税務署・税理士にご確認ください。本記事は税務相談ではありません。作業時間は副業規模の申告を想定した目安です。

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