最終確認日:2026年8月23日
先に結論を書きます。宅配クリーニングは、浮く時間の値段で見ると1時間あたり2,000円から3,000円ほど。多くの人の時給より高く、数字だけで判断すると「見送り」になります。
ただし、これが逆転する条件が3つあります。当てはまる人にとっては、はっきり「買い」です。
各社の料金表と店舗の相場を突き合わせて、実際に計算しました。数字はすべて2026年8月時点の税込価格です。
まず、何分浮くのか
クリーニング店に出すとき、実際にかかっている時間を分解します。見落としがちなのは、店には2回行くことです。
| 作業 | 店舗 | 宅配 |
|---|---|---|
| 持ち込み(往復+受付) | 25分 | — |
| 受け取り(往復+窓口) | 25分 | — |
| 袋に詰める | — | 15分 |
| 集荷を頼む | — | 2分 |
| 受け取る | — | 5分 |
| 合計 | 50分 | 22分 |
差は28分。衣替えでまとめて出すなら、これに「季節の服を出し入れする作業」が加わります。保管サービスを使うとこれも消えるので、そこは後半で計算します。
単品で頼むと、まず元が取れない
宅配クリーニングには単品型とパック型があります。単品型の代表がリネットです。
リネットのワイシャツは1点495円。店舗の相場は200〜300円なので、1枚あたり200円以上高いことになります。さらに送料無料になるのは、プレミアム会員(月429円)で3,300円以上、無料会員だと8,800円以上から。
毎月ワイシャツ5枚を出すとどうなるか。店舗なら1,250円ほど。リネットは2,475円で、しかも3,300円に届かないので送料もかかります。会費を足すと月3,000円前後の差になります。
浮く時間は28分。1時間あたりに直すと6,000円を超えます。時給がこれを上回る人はほとんどいません。日常の少量利用に単品型を使うのは、時間を買う判断としては成立しないということです。
逆に、単品型が向くのは「明日着たいスーツを2日で戻してほしい」といった急ぎの場面です。リネットは最短2日で届きます。これは速さを買うサービスであって、時間を買うサービスではありません。
パック型でまとめて出すと、どうなるか
パック型は点数で値段が決まります。せんたく便の最速パックはこうなっています。
| 点数 | 料金(税込) | 1点あたり |
|---|---|---|
| 5点 | 9,878円 | 1,976円 |
| 10点 | 13,838円 | 1,384円 |
| 15点 | 19,338円 | 1,289円 |
ここで大事なのは、1点あたりの単価が固定されることです。ワイシャツを10点出せば1枚1,384円で大損ですが、コートやダウンを10点出せば話が変わります。
冬物10点を店舗に出した場合の相場で計算してみます。
- コート2着 1,800円 × 2 = 3,600円
- ダウン1着 2,500円
- ジャケット2着 1,200円 × 2 = 2,400円
- ニット3枚 700円 × 3 = 2,100円
- マフラー2本 600円 × 2 = 1,200円
- 店舗の合計 11,800円
せんたく便の10点パックは13,838円。差額は2,038円まで縮みます。浮く時間28分で割ると、1時間あたり約4,400円。まだ高いものの、単品型の6,000円超からは近づきました。
ワイシャツばかり出すと損をして、コートやダウンを出すと差が縮む。パック型はここが判断の分かれ目です。
保管を付けると、計算が変わる
ここまでは「洗って返してもらう」前提でした。宅配クリーニングの本領は保管サービスのほうにあります。
せんたく便の保管10点パックは17,578円、2回目以降は16,808円。冬物なら最大11か月預かってもらえて、返却時期も指定できます。春に出して、秋に戻してもらう形です。
これで消えるのは、クリーニングの往復だけではありません。
- 春に冬物をしまう作業(たたむ、圧縮袋、防虫剤)
- 秋に冬物を出す作業
- その間、クローゼットの一角が空く
衣替えの作業を控えめに片道45分、往復で90分とします。クリーニングの往復28分と合わせて、浮く時間は約2時間。
差額は16,808円 − 11,800円 = 5,008円。2時間で割ると、1時間あたり約2,500円です。
| 使い方 | 1時間あたり | 時給1,690円なら |
|---|---|---|
| 単品型で毎月少量 | 約6,000円 | 見送り |
| パック型で冬物10点 | 約4,400円 | 見送り |
| 保管付きで衣替えごと | 約2,500円 | 見送り(惜しい) |
保管付きでも2,500円。年収500万円クラスでは、数字の上ではまだ届きません。正直な結論として、宅配クリーニングは時間単価で見ると安い買い物ではないと言えます。
それでも逆転する3つの条件
近くにクリーニング店がない
片道10分で計算しましたが、車を出して片道20分かかる人なら往復2回で90分。衣替えと合わせて3時間になります。差額5,008円を3時間で割れば約1,670円。時給1,690円の人はここで逆転します。
店が遠い人ほど得をする。分かりやすい条件です。
クローゼットが足りていない
11か月分の保管には、時間とは別の価値があります。冬物10点が部屋から消えれば、収納ケースを買う必要も、トランクルームを借りる必要もありません。
屋内型トランクルームの相場は月3,000円台からです。半年借りれば2万円近い。それと比べるなら、保管付きクリーニングは十分に安い部類に入ります。
重いものを運びたくない
ダウン2着とコート2着を抱えて自転車に乗るのは、単に時間の問題ではありません。雨の日は行けませんし、店の営業時間にも縛られます。
この「行かなくていい」を金額に直すのは難しいのですが、小さい子どもがいる家庭や、腰に不安がある方にとっては、時給換算よりも重い理由になり得ます。
どこを選ぶか
| 料金の型 | 納期 | 向いている人 | |
|---|---|---|---|
| リネット | 単品(ワイシャツ495円〜) | 最短2日 | 急ぎで数点だけ出したい |
| せんたく便 | パック(10点13,838円) | 最短5営業日 | まとめ出し・保管を使いたい |
| リナビス | パック(保管付きあり) | やや長め | ブランド物を丁寧に扱ってほしい |
時間を買う目的で選ぶなら、候補はパック型の2社です。単品型は速さのためのサービスと割り切ったほうが、判断を間違えません。
なお、せんたく便もリネットも繁忙期は納期が延びます。11月から12月は特に混み合うので、冬物の保管は春のうちに出すのが前提です。
まとめ
- 単品型で毎月少量は1時間あたり6,000円超。時間を買う目的では成立しない
- パック型で冬物をまとめると約4,400円。単価の高い服ほど差が縮む
- 保管付きで衣替えごと任せると約2,500円。ここが最も割がいい
- 店が遠い、クローゼットが狭い、重いものを運びたくない。この3つのどれかに当てはまるなら買い
- どれにも当てはまらないなら、近所の店に持っていくほうが安い
自分の時給がまだ分からない方は、先に自分の時間を時給換算するといくら?で出しておいてください。この記事の数字と見比べるだけで判断できます。
※ 料金は2026年8月23日に各社公式サイトで確認した税込価格です。キャンペーンや改定で変わることがあるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。店舗の相場は複数の比較サイトの掲載値をもとにした目安です。


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